大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 平成9年(あ)1299号 決定 2000年2月24日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人竹川秀夫の上告趣意は、違憲をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。

なお、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律一六条が「市街其ノ他人家稠密ノ場所」等における銃猟を禁止しているのは、このような場所において銃器を使用して狩猟をすることが他人の生命、身体等に危険を及ぼすおそれがあるので、これを防止することなどを目的とするものである。したがって、同条にいう「人家稠密ノ場所」に該当するか否かは、右のような同条の趣旨に照らして判断すべきところ、原判決の認定及び記録によると、被告人が狩猟のため散弾銃を発射した場所は人家と田畑が混在する地域内にあり、発射地点の周囲半径約二〇〇メートル以内に人家が約一〇軒あるなどの状況が認められるのであるから、右場所が「人家稠密ノ場所」に当たるとした原判決は相当である。

よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 亀山継夫 裁判官 河合伸一 裁判官 福田博 裁判官 北川弘治 裁判官 梶谷玄)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例